<ネタバレあり>
主人公東一は時代遅れで身勝手なひどい男。無骨で生命力あふれすぎる東一。
そして東一が惚れ込んだ美少女マヤは、不幸な環境から逃げ込んだ先で、だまされてヤクザに売られてしまいます。
夢中で読むことができた理由には次のようなことがあります
*作者の東一に対する愛情があちこちで感じられたこと
*不器用な東一と、彼と犬猿の仲の山路夫妻の対比がはっきりしていた。「人間くさい東一」対「プチブルジョアな山路夫妻」。山路夫妻は正論を滔々と述べます。
*汚い世界に放り込まれても、汚い言葉を使っても、どこまでも清らかさが感じられるマヤ
*清らかなマヤと他の村の女たちとの対比
最後のシーンは美を極めた形で終わりました。
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ポリティコン 下 単行本 – 2011/2/15
桐野 夏生
(著)
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大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。
1997年3月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。
自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者、……東アジアの片隅の 日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。
今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長篇小説!
1997年3月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。
自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者、……東アジアの片隅の 日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。
今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長篇小説!
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/2/15
- ISBN-104163299602
- ISBN-13978-4163299600
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/2/15)
- 発売日 : 2011/2/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4163299602
- ISBN-13 : 978-4163299600
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,026,071位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 248,316位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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桐野 夏生(きりの・なつお)
1951年生まれ。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。98年『OUT』で日本推理作家協会賞(同作品は英訳され、日本人初のエ ドガー賞候補となる)、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で 婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 メタボラ(上) (ISBN-13: 978-4022645548 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年2月14日に日本でレビュー済み
ぼくにとっては不可思議な作家というジャンルでトップ3に入るのが、桐野夏生である。読んでみないと面白いのかつまらないのか、わからない。最初は探偵・村野ミロのシリーズでエンタメ界に登場したものの、徐々にシリーズ外作品での独自性を見せ始める。その切り替えスイッチとなったのは、まぎれもなく『OUT』だったと思う。
かつてのぼくの桐野評。『ぼくがリスペクトしたいと思うクリエイターは、どちらかと言えば、馴れ、という領域を逸脱しようと、常にチャレンジする精神を維持し続けている部類の作家である。』
もう一つ。『通り一遍の評価を受けることで満足することなく、次から次へと異色の作品を出し続け、いい意味で読者の予想を裏切り続ける女流作家としては、トップ・ランナーである。』
そう、本作『ポリティコン』は、実験小説のようにも見える。一つの原始共産主義的な<村社会>を東北の一山村に作り上げた一族の血を継いで、現代の若き村長が時代に沿った変革を施してゆく、というと聴こえは良いが、この新村長となる主人公の東一(といち)は、ページを繰るにつれ、軽薄で身勝手で、獣欲に身を任せるエゴイストで、様々な意味での愚かさを全身に纏った出来の悪い男であることが明確になってゆく。それでいて妙な自信を備えていて、性格も弱いくせにプライドは強い。客観性がなく、村民たちへの思いやりも薄いし、怒りっぽい。理想を抱えているのかどうかわからないが、自分の中では何となく整理できているらしいし、これといった信念がないせいか、ある程度の危機を平気で乗り越えてしまいそうなタフさと不思議なまでの強運は備えている。それにしても読んでいて、ああやだ、こんな男は嫌だ、と嫌悪感を感じてしまう類いのキャラクターであることは間違いない。
「私は白黒つけがたい、善悪がわからない、そんな薄気味悪い中間地点にいるような人が、好きなんですね。最近、善悪だけでなく、物事をわかりやすくしようという傾向が文学でも強いと思いますが、私はそれに乗りたくないんです。人はそんなに簡単に分けることができないし、差異は常にある」
というのが、作者の言葉なので、これを読むとなるほどと思うが、この主人公が規制のキャラクターという概念から抜けているのも、かく言う作者が読者たちに向けて投じた一石のおかげなのかもしれない。
ちなみに本書の主人公は基本的には、唯腕村(いわんむら)である。大正時代にユートピアとして作り上げられた共同体としての開拓村である。そしてそこに住む個性の強い村人たちである。桐野作品の凄さはこれら村人の個性をしっかりと描き分けて造形してしまうところである。『東京島』という奇妙な場所をクリエイトした作品との共通項でもある。
そして不思議なことに、こんな内容の作品なのに、読んで面白い。リーダビリティが抜群なのである。これと言ったストーリーがない代わりに、大作ゆえに、時代のうねりのようなものが二世代三世代の村の歴史に生じていて、そこを出入りするキャラクターたちのバリエーションも桐野作品らしく個性豊かで興味深い。いわゆる「何が起こるかわからない」実験現場のような作品でもあるのだ。
さらに言えばタイトルの『ポリティコン』という言葉は作中に一度も登場しない。このあたりのアンチ・サービス精神も、作品を説明しないという桐野力学の一部なのだろう。ポリティコンとは、政治的動物のことであるらしい。本書は共同体の構築と運営を描く小さな建国神話であるようだ。読後感としては、村の規模が小さすぎるため、建国という言葉とは僕の中では全く結びつかない作品であったように思うが、ともかく。
タイトルもストーリーも含めてかように謎に満ちた作品なのだが、何となく面白く読まされてしまう。それぞれの人間の個性も、彼らの間に働く物語性と、対抗する力学のようなものも、ギリシャ喜劇でも観ているかのようで何となく親和性を覚えつつ、キャラクターの一部は愛すべきで、一部は苦手と感じてしまう。まるで読者の生きる現実世界の鏡面のような物語世界を、不思議がるのも、面白がるのも、投げ出すのも自由、といわんばかりの謎めいていて、人を食ったような大作。
桐野作品の中では異常に長い小説である。著者が五年の歳月を費やして書いた作品だと言う。人間の多様さ、罪深さ、たくましさ、愛と性、貧富、生きる方途、その他、すべてを凝縮して描き切る桐野夏生という極めて個性的な作家の、記念碑的作品であることは間違いない。
それにしても主人公の人間性の悪さが鼻について仕方がなかった。第二部が、不幸な女性マヤの側面から描かれるようになって、だいぶ心が安らいだ。彼女が如何に不幸であれ、その逞しさは伝わってくるせいかもしれない。しかし、全体を通して、東一への憎悪をエネルギーに変えて読めてしまう不思議作品であるのかもしれない。奇妙だ。こんな作品はどこにもない。
かつてのぼくの桐野評。『ぼくがリスペクトしたいと思うクリエイターは、どちらかと言えば、馴れ、という領域を逸脱しようと、常にチャレンジする精神を維持し続けている部類の作家である。』
もう一つ。『通り一遍の評価を受けることで満足することなく、次から次へと異色の作品を出し続け、いい意味で読者の予想を裏切り続ける女流作家としては、トップ・ランナーである。』
そう、本作『ポリティコン』は、実験小説のようにも見える。一つの原始共産主義的な<村社会>を東北の一山村に作り上げた一族の血を継いで、現代の若き村長が時代に沿った変革を施してゆく、というと聴こえは良いが、この新村長となる主人公の東一(といち)は、ページを繰るにつれ、軽薄で身勝手で、獣欲に身を任せるエゴイストで、様々な意味での愚かさを全身に纏った出来の悪い男であることが明確になってゆく。それでいて妙な自信を備えていて、性格も弱いくせにプライドは強い。客観性がなく、村民たちへの思いやりも薄いし、怒りっぽい。理想を抱えているのかどうかわからないが、自分の中では何となく整理できているらしいし、これといった信念がないせいか、ある程度の危機を平気で乗り越えてしまいそうなタフさと不思議なまでの強運は備えている。それにしても読んでいて、ああやだ、こんな男は嫌だ、と嫌悪感を感じてしまう類いのキャラクターであることは間違いない。
「私は白黒つけがたい、善悪がわからない、そんな薄気味悪い中間地点にいるような人が、好きなんですね。最近、善悪だけでなく、物事をわかりやすくしようという傾向が文学でも強いと思いますが、私はそれに乗りたくないんです。人はそんなに簡単に分けることができないし、差異は常にある」
というのが、作者の言葉なので、これを読むとなるほどと思うが、この主人公が規制のキャラクターという概念から抜けているのも、かく言う作者が読者たちに向けて投じた一石のおかげなのかもしれない。
ちなみに本書の主人公は基本的には、唯腕村(いわんむら)である。大正時代にユートピアとして作り上げられた共同体としての開拓村である。そしてそこに住む個性の強い村人たちである。桐野作品の凄さはこれら村人の個性をしっかりと描き分けて造形してしまうところである。『東京島』という奇妙な場所をクリエイトした作品との共通項でもある。
そして不思議なことに、こんな内容の作品なのに、読んで面白い。リーダビリティが抜群なのである。これと言ったストーリーがない代わりに、大作ゆえに、時代のうねりのようなものが二世代三世代の村の歴史に生じていて、そこを出入りするキャラクターたちのバリエーションも桐野作品らしく個性豊かで興味深い。いわゆる「何が起こるかわからない」実験現場のような作品でもあるのだ。
さらに言えばタイトルの『ポリティコン』という言葉は作中に一度も登場しない。このあたりのアンチ・サービス精神も、作品を説明しないという桐野力学の一部なのだろう。ポリティコンとは、政治的動物のことであるらしい。本書は共同体の構築と運営を描く小さな建国神話であるようだ。読後感としては、村の規模が小さすぎるため、建国という言葉とは僕の中では全く結びつかない作品であったように思うが、ともかく。
タイトルもストーリーも含めてかように謎に満ちた作品なのだが、何となく面白く読まされてしまう。それぞれの人間の個性も、彼らの間に働く物語性と、対抗する力学のようなものも、ギリシャ喜劇でも観ているかのようで何となく親和性を覚えつつ、キャラクターの一部は愛すべきで、一部は苦手と感じてしまう。まるで読者の生きる現実世界の鏡面のような物語世界を、不思議がるのも、面白がるのも、投げ出すのも自由、といわんばかりの謎めいていて、人を食ったような大作。
桐野作品の中では異常に長い小説である。著者が五年の歳月を費やして書いた作品だと言う。人間の多様さ、罪深さ、たくましさ、愛と性、貧富、生きる方途、その他、すべてを凝縮して描き切る桐野夏生という極めて個性的な作家の、記念碑的作品であることは間違いない。
それにしても主人公の人間性の悪さが鼻について仕方がなかった。第二部が、不幸な女性マヤの側面から描かれるようになって、だいぶ心が安らいだ。彼女が如何に不幸であれ、その逞しさは伝わってくるせいかもしれない。しかし、全体を通して、東一への憎悪をエネルギーに変えて読めてしまう不思議作品であるのかもしれない。奇妙だ。こんな作品はどこにもない。
2013年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
桐野 夏生さんの作品なので気になってたんですが
まだ読んでなくて、購入しました。
2冊組でとても読み応えがあり面白い作品でした。満足してます。
まだ読んでなくて、購入しました。
2冊組でとても読み応えがあり面白い作品でした。満足してます。
2011年9月5日に日本でレビュー済み
上巻は東一視点で綴られ、下巻の2部からはマヤ視点。
東一は唯一の若者であるという重圧・孤独感に押しつぶされそうになりながらも
やがて後継者であることからその地位を利用し、村と女性たちを私物化するとんでもないえげつない男。
どうにもならない過疎と高齢化の問題、
抑えきれない東一の欲望に腹がたって仕方ないんだけど、こんなにもドロドロと暗いのになぜかページをめくる手が止まりません。
桐野夏生のこの中毒性って、本当にヤバい。
小さい社会の中で憎しみ合い、でもそこから飛び出すこともできず、
結局は支えあっていきていく人々の村への思いは想像を超えるものがある。
信頼とか何かを守り抜かなければならないという執念の強さは生々しくもリアルに響いてきます。
最後にいきなりボロクソにやられた東一は笑っちゃうほどすがすがしかったよー。嫌な男よ、ザマーミロ!!!
けど結局、10年かけて東一とマヤはやっと対等の位置に立ち、本当に信頼できる間柄になれた。
これってきっと二人が閉鎖的で特殊な共同体で生きたからこそなんだろうなぁ。
東一は唯一の若者であるという重圧・孤独感に押しつぶされそうになりながらも
やがて後継者であることからその地位を利用し、村と女性たちを私物化するとんでもないえげつない男。
どうにもならない過疎と高齢化の問題、
抑えきれない東一の欲望に腹がたって仕方ないんだけど、こんなにもドロドロと暗いのになぜかページをめくる手が止まりません。
桐野夏生のこの中毒性って、本当にヤバい。
小さい社会の中で憎しみ合い、でもそこから飛び出すこともできず、
結局は支えあっていきていく人々の村への思いは想像を超えるものがある。
信頼とか何かを守り抜かなければならないという執念の強さは生々しくもリアルに響いてきます。
最後にいきなりボロクソにやられた東一は笑っちゃうほどすがすがしかったよー。嫌な男よ、ザマーミロ!!!
けど結局、10年かけて東一とマヤはやっと対等の位置に立ち、本当に信頼できる間柄になれた。
これってきっと二人が閉鎖的で特殊な共同体で生きたからこそなんだろうなぁ。
2011年6月11日に日本でレビュー済み
理想郷から絶望郷
10年の歳月が二人を、村を、大きく変えていく。
あっというまに上下巻を読みきってしまい、今思うのは 続編がほしい。
今の日本が抱える問題と並行しながら 2015年ころに、、、。
でも 主人公の男に肩入れしちゃうなあ。
10年の歳月が二人を、村を、大きく変えていく。
あっというまに上下巻を読みきってしまい、今思うのは 続編がほしい。
今の日本が抱える問題と並行しながら 2015年ころに、、、。
でも 主人公の男に肩入れしちゃうなあ。
2020年11月3日に日本でレビュー済み
下巻は、唯腕村の経営で「若き農業カリスマ」になった東一の話が前半で、後半は、真矢視点で話がすすんでいきます。
前半部は、東一がかなりやばい商売をしつつ、しかし一方では「農業カリスマ」として東京のマスコミにとりあげられていく話です。
真矢への思いは強く、真矢の大学進学の資金を出す約束をしてしまいます。かわりに、おセクスをさせてもらうということに。
しかし、真矢は「ヤル気」がないのね。ここは笑えました。
ところが、借金がかさみ、やがて真矢を「売る」ことに…。
ここいらへんで、真矢視点に切りかわります。
真矢は東一に売られ、水商売をしながら生活をしている。
やがて都会に出る。
都会で生活していると、父親がわりだった北田が、唯腕村で死んだことを知る。
ふたたび、唯腕村で東一と出会うことに。
東一はホアと結婚し、子どもを儲けて、唯腕村の経営を精力的にすすめている。
しかし、その「経営」は独善的で、古くからの村人は反発している。
はたして、東一と真矢の運命は?
「理想郷」って、やっぱり、難しいんだよね、という話ですよね。
また、日本の貧しさというか、経済的な行き詰まりってのが、めぐりめぐって、地方の寒村にももろ影響しているよね、ということが示されていたように思います。
また、「人材」という意味で、外国人たちも、そういうコミュニティに積極的に関与させないとたちゆかなくなるんだろうなぁ。
そういう意味では、唯腕村は日本の縮図ですね。
いろいろな不正をしていて、それを表にはせずにおこなう、という、日本的な欺瞞がよく描かれているように思いました。
いろいろと示唆させてくれる小説で、おもしろく、一気に読みました。
前半部は、東一がかなりやばい商売をしつつ、しかし一方では「農業カリスマ」として東京のマスコミにとりあげられていく話です。
真矢への思いは強く、真矢の大学進学の資金を出す約束をしてしまいます。かわりに、おセクスをさせてもらうということに。
しかし、真矢は「ヤル気」がないのね。ここは笑えました。
ところが、借金がかさみ、やがて真矢を「売る」ことに…。
ここいらへんで、真矢視点に切りかわります。
真矢は東一に売られ、水商売をしながら生活をしている。
やがて都会に出る。
都会で生活していると、父親がわりだった北田が、唯腕村で死んだことを知る。
ふたたび、唯腕村で東一と出会うことに。
東一はホアと結婚し、子どもを儲けて、唯腕村の経営を精力的にすすめている。
しかし、その「経営」は独善的で、古くからの村人は反発している。
はたして、東一と真矢の運命は?
「理想郷」って、やっぱり、難しいんだよね、という話ですよね。
また、日本の貧しさというか、経済的な行き詰まりってのが、めぐりめぐって、地方の寒村にももろ影響しているよね、ということが示されていたように思います。
また、「人材」という意味で、外国人たちも、そういうコミュニティに積極的に関与させないとたちゆかなくなるんだろうなぁ。
そういう意味では、唯腕村は日本の縮図ですね。
いろいろな不正をしていて、それを表にはせずにおこなう、という、日本的な欺瞞がよく描かれているように思いました。
いろいろと示唆させてくれる小説で、おもしろく、一気に読みました。